【商品説明】
夏ならではの染織品であり、南の島への憧れを体現したような芭蕉布は、バナナの一種・糸芭蕉の茎を裂いて糸にして精練し、染めた糸を手織りで織られます。
その工程は非常に多く、熟練の技術を必要とする沖縄特有の染織品で、現在は主に喜如嘉でつくられています。
戦後語りつくせないほどのご苦労を重ねられ、現在では喜如嘉に後継者の育成を重視した芭蕉布の産地としての場を確立され、「芭蕉布保存会」の代表として、また国の重要無形文化財「芭蕉布」技術保持者としてもご活躍されている平良敏子さんの作品です。
自然の中にあるものに手を加えて織物にするという点では、麻と同様に歴史と伝統のある芭蕉布ですが、長い時間の中でどんどん進化を続けて色々な織りの作品が見られるようになりました。
こちらはもともと希少な芭蕉布の中でも、さらに珍しい煮綛(にいがし)の作品です。
煮綛の芭蕉布とは、本来は一般に手にする事ができない、琉球王朝の王家に献上されるもので、黄色や茜色、緑色などが使用されますが、糸を染める作業は一年のうち2か月間しか行われなかったそうです。
こちらの八寸名古屋帯は芭蕉本来の色の糸を経糸にして、緯糸にふんだんに緑の糸が使用されていますが、模様には部分的にオレンジ色の糸が見られます。
それは「九年母」というミカンの一種でもある柑橘の植物で染められていて、非常に時間がかかる事からその名前がタイトルになっています。
織りは「ケーシ織」という少し変わったすくい織や返し織が駆使されていて、古代模様の様な花織と浮き織を含めた楽しい模様です。
本当の意味で希少性の高い作品といえますが、帯の形になりますと変り織の模様と浮き織の糸の光沢がとても綺麗で、目を見張るものがあり、夏にこんな素敵な帯を締めてお出かけできたらどんなに素晴らしいでしょうと想像してしまいます。
宮古上布や越後上布などのお着物と抜群に合うと思われる、素晴らしいおすすめの逸品です。
革色「#3e594c color-sample.com」、
煎茶色「#8c6450 color-sample.com」
をご参照下さい。
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