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藍雲取に花の丸紋型絵染小紋着物

こちらは冴え冴えとした水浅葱色の雲取や花の浅緋色など、その色使いや図案は古い紅型の資料で目にしたものの様な印象で、最初に出合った時には古い沖縄の紅型のお着物かと思ってしまいました。
いずれにしてもその精巧な染めの技術、優れたデザインなどから見るに、しかるべき作家作品の様です。
昭和に「東京紅型」と呼ばれたこちらの様な沖縄の紅型の図案に由来するものや、もっと工芸的であったり、幾何学のデザイン性の強いアート的なものだったりと、大きなくくりでいう「型絵染」は大変人気の高かったもののひとつです。
とりわけ人間国宝でもある鎌倉芳太郎氏や芹沢�_介氏などの作品は憧れの象徴でもあり、後継の染織家に多大な影響を与えました。
先日も日本橋三越さんで開催されていました伝統工芸展に、第60回記念という事で鎌倉芳太郎氏の作品が展示されていましたが、本当にいつまで見ていても飽きないくらい素晴らしいものでした。
紅型も含め型絵染の魅力は独特なもので、友禅の持つ魅力とはまた違います。素朴というのとも違う、不思議な力を感じさせられます。
こちらのお着物は地白になっているところにとてもシンプルな良さがあり、また顔料が使われる型絵染のマットな質感が、生地の全部をふさぐのではなく、どこか空気の流れる様な風の通る様な気持良さを感じられます。
そして細やかな点描で流れる雲と小さな桜を染め抜いた綺麗な水浅葱色の雲がその白をより爽やかなものとしている様です。
是非一度実物をご覧いただきたい昭和の素晴らしい一点です。
お仕立替済。
浅緋（うすきひ）色は「#df7163　WEB色見本 和色大事典」をご参照下さい。