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ユキノシタの花友禅訪問着

1月に入ってまだまだ寒い季節を迎えるこの時期ではありますが、春のご入学やご卒業、また結婚式などのフォーマルのお席のご予定がおありの方も多く見受けられますので、これからの季節にお召しいただきたい訪問着、附下などを何点かご紹介させていただきたいと思います。
玉子ボーロを思い出す様な明るさのあるベージュ地に、大胆に流れる様なラインの枝に可憐に咲くユキノシタのお花が華やかに紅白で描かれた友禅の訪問着です。
ユキノシタは湿度のある場所でよく育つ様で、私が子どもの頃には昔ながらの玄関のあるお家ではよくこのお花を見かけました。
白い小さな花が可愛く印象に残っていますが、薬草としても身近な存在で耳の炎症に効くと聞いた事もあります。
このお花は5月頃に見る事ができます。
同じユキノシタ科のよく似た植物に大文字草という山野草がありますが、このお花はもう少し後の季節の9月から11月に咲きますので、こちらのお着物は見立てによって春と秋両方にお召しいただけるのではないでしょうか。　
どちらかというと素朴な印象のお花ですが、とても華やかに描かれているのが楽しく、また添えられたお花が黄色いオンシジュームである事もユニークで、和洋取り合わせたモダンなイメージになっています。
下前に向かっていく部分には山吹のお花も彩りを添えて、緑と水浅葱色の葉が清々しく、全体のバランスを整えてくれているように見受けられます。
躍動感のある構図に若々しさを感じられ、色使いには伝統的で上品な華やかさのある素敵な訪問着のお着物です。
未着用品。
蒸栗色は「#eae0a4　WEB色見本　原色大辞典」を、
珊瑚色は「#f49c92　WEB色見本　原色大辞典」を、
桃花色は「#e198b4　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。
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