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桜の花尽し訪問着

沙綾型の地紋の綸子の生地が目に鮮やかな鶸色に染められ、無数の桜のお花が重なって咲いている様子をシルエットのような描き方で爽やかに表現し、それでいてきちんとボリューム感と華やかさを感じられる、素敵な訪問着のお着物です。
大きなお花は白く染め抜かれ、小さなお花は白藍色と桜色の画材のパステルで着色されたような質感の色使いで、軽やかに華やいだ春の風情を表しているようです。
アクセントに入れられた金彩も程良く、実際にお召しいただきますと、本当に足元から可愛いお花に囲まれているような、心が弾むような楽しさもあります。
こちらの地色は誰かにすすめられないとなかなかご自分では選ばれないかもしれませんが、唐織などの袋帯とコーディネートをされて、髪も結われてきちんと着こなされると、驚くほど個性的で格好良いです。
無難なイメージのお着物をお探しの方には抵抗があるかもしれませんが、なかなか出合う事がなく、品質的にも非常に優れていますので、珍しいものをお探しの方には大変おすすめです。
構図は大胆と言えますが、全体的には色数も多くなく、同じトーンでまとまっていて、帯合せや小物使いのアレンジによって印象がぐっと変わりますので、ちょっと腕の見せ所といった部分もあります。
品質の良いものは飽きる事がなく、長くお付き合いができます。
春になったらあれを着ましょう！と毎年アレンジを変えてお楽しみいただける事と思います。
鶸色は「#d6cf55　WEB色見本　原色大辞典」を、
白藍色は「#c1e4e9　WEB色見本　和色大辞典」を、
桜色は「#f4d0c3　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。