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縫い絞り染紬着物

こちらはまず何よりも色の説明がとても難しく、ニュアンスのある複雑な色が入り混ざった、素敵な絞り染めのお着物です。
地の色は真っ白ではなく、白汚しのシルバー味のある、明るく淡いとても綺麗なグレーです。
緯に節のある白山系の紬を非常に細かい幅の屏風たたみにして、1cm間隔できつく縫いとめて端を藍色に染めている事で、細いラフな縞模様のように見える柄のとても手の込んだ作品です。
その藍の縞に淡い焦げ茶と若草色が交差して、大変味わいがあり、ミックスの面白さもある色使いのお着物となっています。
実際にお羽織りいただきますと手元で見ているほど縞は強くならず、全体的に淡いトーンの表情のある色の変化が楽しい、高級感のある紬のお着物となります。
少し渋さがあって素敵なのですが、あまり地味にしてしまってはもったいないと思い、菜種油色の八掛でお仕立をしてみました。
若草色のアクセントも八掛と引き合ってとても綺麗に映えています。
このタイプのお着物は帯合わせが楽しいですね。
季節をモチーフにした染め帯や、紬のすくい織などの八寸名古屋帯と合わされるのも良いですし、絞り染めならではのボリュームがありますので、木屋太や洛風林製などのお洒落袋帯ともバランス良く合わせていただけます。
上質な紬の光沢と色使いが素晴らしい、おすすめの一点です。
お仕立上り。
焦茶色は「#4c3527　WEB色見本　原色大辞典」を、
若草色は「#c0cc66　WEB色見本　原色大辞典」を、
菜種油色は「#a69425　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。