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雲にトンボ図絞り染薄お召附下
こうげい芥川扱

一見すると小紋のように見える軽やかな印象ですが、よく見るとこだわりの絞り染めが絵羽附けになっていて、可愛い雰囲気の中に高級感のあるお洒落な附下のお着物です。
フワフワと浮かんだ雲と飛び交うトンボはアキアカネを思い起こさせ、早い秋の空を連想する図案となっています。
初夏の夜に羽化し、その後高地に行って夏を過ごし、秋に大挙して住宅地などにも現れるアキアカネは、季節を知らせてくれる身近な生き物のひとつです。
クレヨンで描いたようなラフなタッチで描かれて、まるで絵本の挿絵を見ているみたいで、楽しい童謡が聞こえてきそうな懐かしさもあります。
それでいて色使いは大変高尚で、品格のある淡い利休鼠色の地に白と藍色と芝翫茶色で模様が染め出されています。
生地は少し変わった薄お召のような紗のようなものですが、張りはあまり強くなく、ジョーゼット的なすとんと身体に添うような重みのある素材です。
今年は冷夏ではないかとも言われていますが、アキアカネもを見られる機会も多いかもしれません。
そんな季節の移り変わりを敏感に感じられたり、図案のモチーフが気になったりするのもお着物の楽しさひとつかもしれません。
こちらは反物の状態で入荷いたしましたものを、当店でお手入れして、お仕立いたしました。
お仕立上り。
利休鼠色は「#aab29e　WEB色見本　原色大辞典」を、
芝翫茶色（しかんちゃいろ）は「#ad7e4e　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。