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垣根に秋草模様友禅に手刺繍訪問着

爽やかなシャーベットトーンの淡いオレンジ・花葉色の地に流れるような斜めの線で垣根が引かれ、そこに秋の草花が咲く様子を友禅と手刺繍で描いた、個性的でリズミカルな素敵な訪問着のお着物です。
萩や野菊や女郎花などの小さなお花もたくさん描かれているのですが、こちらのお着物はちょっと珍しく、秋の七草でもある藤袴が主役の様です。
形も色使いも少しポップな雰囲気で描かれていますが、加工はとても真面目なもので、手刺繍もお花によって使い分けられ、一般的な刺繍とは違う網目のような技法も取り入れられています。
様々な色糸と金属の糸が混ぜて刺されていて、小さなお花も動きによってキラキラと輝いて上品な華やかさを醸し出しています。
また刺繍が施されていないお花の色はわざとミックス調の抑えた色になっていて、かえって葉の方に二藍色の綺麗な紫や緑青色などのはっきりとした色が使われている事もとても面白いのですが、それが地色に映えて絶妙なバランスとなっています。
計算されたデザインや色の配置などすべてに細やかな心使いが感じられ、その集合で全体がハイセンスで高級感のある素晴らしいお着物として完成されているようです。
素敵な個性で秋のフォーマルのお席でもきっと目を引くと思われる、おすすめの一点です。
花葉色は「#f9d67c　WEB色見本　原色大辞典」を、
桑茶色は「#956f29　WEB色見本　和色大辞典」を、
二藍色（ふたあいいろ）は「#915c8b　WEB色見本　和色大辞典」を、
緑青色は「#47885e　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。