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一年風物模様草木友禅訪問着
田村哲彦作

睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走と、1年12ヵ月が切絵文字の様に、そしてそれぞれの月の風物が楽しく描かれた訪問着のお着物です。
上前にお正月・睦月は羽子板や獅子舞・独楽などが描かれ、そこから春夏秋冬と過ぎていき下前には12月・師走を思わせる山茶花の花と雪だるまと三毛猫もいます。
そして再び梅の花が現れ、まるで双六を見ているような懐かしさも感じられます。
楽しい図柄とは対照的に地色は大人のイメージの紫味のあるグレー・桔梗鼠色で、柄が置かれた部分は薄青色の暈しで少し明るい雰囲気に、裾には全体を締めくくるようにまたシックな青鈍色が暈し染めされています。
日本には四季があって、簡単に盛り込むだけでもそれぞれの季節にこれだけの風物があり、風情があり、それによって文化も花開き、他の国では見られないものも多いというのはすごい事だなあと改めて思ったりします。
夏の七夕や朝顔、スイカや、実りの秋のかかしや干し柿、そして雀も楽しそうです。
見ているだけでも楽しいこんな図柄のお着物は、もちろん一年を通して袷の時期にお楽しみいただけますが、年の初めのお集まりなどにお召しになるのも良いかもしれないと思い、新年に向けてご紹介させていただきました。
未着用品。
桔梗鼠色は「#636366　WEB色見本　原色大辞典」を、
薄青色は「#93b69c　WEB色見本　和色大辞典」を、
青鈍色は「#3d4c40　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。
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