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ホタルブクロの花　草木染単衣附下
野の花染工房　諏訪好風作

山形県米沢市で草木染による着物や帯の作品を作り続けていらっしゃる諏訪好風さんのホタルブクロのお花がすくい織で描かれた単衣の附下のお着物です。
経に少し節の見える光沢のある紬地に、上前と袖に濃い紫のホタルブクロのお花が織り出されています。
風にそよいで野に咲くお花の様子が、織りでありながらこんなにも写実的に描かれ、臨場感にあふれていて驚きました。
ホタルブクロは蛍が宿るような名前の情緒あるお花です。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが「14匹の朝ごはん」という絵本があり、子どもたちが幼い頃とても好きでよく読んでいました。主人公の鼠さんたちはたしかホタルブクロが咲く場所に住んでいたのか、頻繁にこのお花が出てきたような記憶があります。
それもあってお庭にこのお花を植えて、咲くのを楽しみにしていましたら、淡いピンクと白のお花が咲きました。
また昨年、お花の先生が店頭にこの濃い紫色のホタルブクロを活けてくださったのですが、それを見た方がこの色はとても珍しいと驚かれていたのを思い出しました。
草花は人の心を和ませ、季節を改めて感じられたり、会話のきっかけになったりと個人的に大好きです。
東京でも今年も桜が咲き、その時期には不思議と強い風が吹き、その後には綺麗な新芽の緑が顔をのぞかせるといったように季節が廻っていくのを体感する事ができます。
そんな季節の1ページを切り取ったような素敵な図柄のものを身に着ける事ができるのも、お着物の世界の 醍醐味と言えるかもしれません。
亜麻色は「#d6c6af　WEB色見本　和色大辞典」を、
葡萄鼠色は「#705b67　WEB色見本　和色大辞典」を、
滅紫色（けしむらさきいろ）は「#332631　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。