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山紫陽花の図単衣訪問着

細かな波の模様が網代の形に並んだ地紋の生地が甘さのある利休白茶色に染められ、裾からは深みのある煤色が暈しで上がってきて、たくさんの白いお花をつけた紫陽花が描かれた、とても上品な初夏の風情を感じる単衣の訪問着のお着物です。
紫陽花を描いたこのタイプのものは藍色や水色系のグレー地のものが多いのですが、こちらは少し珍しい温かみのあるグレーベージュ・人気の高い利休白茶の地色になっているのも嬉しい事のひとつです。
お花の数は少し控えめで、また形が少しとがった菱形になっていて、お庭に咲く園芸種というよりも山里に静かに咲く紫陽花の姿が目に浮かぶような描写です。
そして白いお花の中心の薄柿色の暈しが何とも言えない可憐さを表していま す。
飾り気のない、それでいて瑞々しい初夏の美しい花、紫陽花の魅力がたっぷりと盛り込まれ清楚で華やかな素敵なお着物となって完成しているようです。
葉の緑も少し抑えめの渋い柳染色ですが、全体を引き締める綺麗なアクセントとなっています。
さらりとシックにフォーマルのお席にお出かけいただきたい、おすすめの一枚です。
利休白茶色は「#ccc5b6　WEB色見本　原色大辞典」を、
煤色（すすいろ）は「#887f7a　WEB色見本　和色大辞典」を、
柳染色は「#668059　WEB色見本　原色大辞典」を、
薄柿色は「#d4acad　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。