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水辺の葦模様友禅絽紬訪問着

平安時代に流行したと言われる「葦手」という文字遊びのようなものが源氏物語などにも出てきますが、文字を絵のような形に変えて葦や鳥、また水辺の草や石などを描いたものだそうです。
それほどに葦は昔から身近なものであったようですし、文献などにあるように高位の人々の衣装の図柄にも多く取り入れられていたようです。
栄枯盛衰を表す時に用いられる事もあり、どこか文学的な要素を感じる不思議な植物でもあります。
こちらは幻想的にさえ見えるぼかし染めに、すくっと立ち並ぶ葦が水辺の涼やかさを物語って、夏の品格のある訪問着のお着物となって完成しているようです。
暈しで染められた少し渋めの長春色に細かな紙ふぶきのような金箔と銀箔が施され、キラキラと光る美しい水面を上手く表現しています。
絽織りの紬地のお着物は非常に数が少なくなかなか出合えませんが、まれに目にするとこういった素晴らしい作品が多いのは嬉しい事のひとつです。
同じ色使いであっても、一般的なの絽のものより一段色が抑えられる事もあり、シックな大人の装いをお楽しみいただけると思います。
櫛織りなどの透かし織りの帯とお合わせになられると良いかもしれませんね。
個性的で上質な希少性の高いおすすめの一点です。
未着用品。
岩井茶色は「#808066　WEB色見本　原色大辞典」を、
長春色は「#804a55　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。