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水辺に撫子の図絽附下

藍色のかかった濃いグレーの駒絽の地に糸目で水の流れが描かれ、そこに河原ナデシコのお花が咲く様子が友禅で描かれ、疋田の模様や銀彩や手刺繍も施された、しっとりと落ち着いた雰囲気のある夏のお召物です。
手元で見ていると、少し濃いめのシックな地色と可愛いお花の組み合わせがユニークですが実際にお羽織りいただきますとそのコントラストが清々しく目に映り、柄の配置もやや高めで華やかでとてもお洒落な夏の装いを実現できる事がわかります。
定番的に上質な絽綴れの帯を合わせたくなります。
まだ夏のお着物も色々なクラスのものが作られて柄のボリュームの違いも様々で、用途によってお好みによってよりどりみどりに選ぶ事ができた、おそらく20年位前のお着物ファンにとって良い時代にとても真面目に作られたものと思います。
その名前の通り、撫子色の淡いピンクのお花と疋田模様が入れられたモダンな濃いピンクのお花と、寄り添うような白いお花それぞれが可憐に咲いて、夏の風情を涼しげに演出してくれているようです。
本格的な礼装という場ではないけれど、少し改まったお出かけをされる時などに最適な素敵なおすすめの一点です。
鉄御納戸色（てつおなんどいろ）は「#3d454d　WEB色見本　原色大辞典」を、
撫子色は「#edd5dd　WEB色見本　原色大辞典」を、
中紅色（なかべにいろ）は「#c85179　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。