【商品説明】
昨年末に絞りの面白いお着物が何点か入荷し、お手入れが必要なものも上がってきましたので順番にご紹介させていただきたいと思います。
こちらは非常に珍しい紙布のお着物ですが、それをまた大胆な絞り染めにしている事もユニークです。
昨年秋には誉田屋源兵衛さんの紙布のお着物をご紹介させていただきました。
そちらと質感は似ていますが、また違う作者のものと思われます。
時間をかけて手漉き和紙から紙子を作り、それを細く切って撚りをかけて経緯の糸にして織り出すというのは非常に手間と時間と技術を必要とするようです。
同じ調子のものを経糸にしても14mは必要になるのですから、それを考えただけでも気が遠くなります。
昔の人が生活の中から考え出された「紙子」というものは本当に丈夫なのでしょう。
織物の場合は何でもそうですが、どの作家さんにお聞きしても経糸にかかる負担はとても大きいと言われますので、その事から考えても素人の私にもわかります。
さらにこちらの紙布には所々に箔の糸が一緒に撚られています。
織ったものをまた縫い絞りにできているという事も、紙布の丈夫さを物語っているひとつかもしれません。
緑味のある濃い黄・芥子色に淡い墨黒・黒橡色が大きな麻の葉の模様に染め出されています。
どなたでも取り入れやすいお着物ではありませんが、格好良く着こなしを決めていただきますと、目を見張るお洒落なものとなると思います。
お召しいただいた時の質感はあまり見た事のないものになりますので、周りの方も少し不思議に思われるでしょう。
珍しく袷のお仕立てとなっていますが、軽く着心地は良さそうです。
同系色の黒っぽい帯合わせでモノトーンの着こなしも素敵かもしれませんし、赤系や臙脂系のお洒落帯と合わされるのも良いと思います。
是非この機会に実物をご覧いただきたいおすすめの一点です。
芥子色(からしいろ)は「#BCA352 color-sample.com」を、
黒橡色(くろつるばみいろ)は「#2F3437の色見本 color-sample.com」をご参照下さい。 |