【商品説明】
年が変わりますと急に春色のものに目がいくようになります。
お着物の世界に関わらせていただいていますと、季節のうつろいが人の心を動かすという事がより感じられます。
こちらは明るいシャンパンベージュ・灰白色の上質な牛首紬の地がまるでキャンバスのように見える広がりのある楽しい模様です。
遠くまで見渡せる広々とした台地にたくさんの木々が大きく小さく描かれ、どこかから小さな動物たちが顔をのぞかせるのではないかと思えるような雰囲気があります。
京友禅のお仕事を長く続けていらっしゃる村田道宣氏は、蝋纈染めも併用されるそうですが、こちらも木々の生えている地面は蝋のたたき染めをされているようです。
大きな木は摺り染のような表情豊かな染めになっていて、遠くの小さな木は手描きで描かれているようです。
これだけの模様を均一な色と調子で染められるという事は、長年積まれたキャリアの成せる業なのでしょうか。
岩絵の具のような錆浅葱色で描かれた木々は地色に映えて、春霞の中を清々しく、そして活き活きとしたある種の躍動感を感じます。
お召しいただきますと爽やかな華やかさで着る人を包み込んでくれる優しさがあります。
帯合わせはきっと楽しい事と思います。春先には鳥などの柄の少しお洒落着的な要素のある淡色系のものも良いですね。
秋には濃い茶系やグレー系の帯も綺麗です。
八掛にも模様が少し描かれた訪問着となっていますが、特別フォーマル用という事ではなく、もう少しカジュアルなお食事や観劇などのお席にもお召しいただけます。
これからの季節に最適でお出かけも楽しくなりそうな、まるで何か物語が浮かんできそうな素敵なおすすめの一点です。
お持ちだった方が近年にお仕立て替えをされたか、未着用の状態で裄丈を出されたようで、袖付部分の裄出し跡が少々気になります。
そのため少々お値打価格とさせていただいておりますが、ご着用の際にはそれほど気にならないかと思います。
地色は灰白色(かいはくしょく)「#EFE8D7 color-sample.com」を、
木の色は錆浅葱色「#4A807B color-sample.com」、鶯色「#83823D color-sample.com」をご参照下さい。 |