ひと幅の3分の1が絞り染めのような線で区切られ、紫鳶色のむら染めで染められ、金彩で桐と葉が描かれています。
残りの3分の2には大胆な調子で辻が花の模様が描かれていて、その柄配置が絵羽のようになっている事で訪問着のように華やかな印象となった小紋のお着物です。
桃山時代から江戸初期に花開いた辻が花染には摺箔なども併用されていたそうですので、その雰囲気がうまく出されているように見えますし、古い紫根染の茶色寄りの紫色の濃淡の使われ方などにもその趣が感じられます。
幻のように姿を消してしまった辻が花染め、近年復元されたものや図案のひとつとして訪問着のお着物から名古屋帯の模様まで幅広く好んで取り入れられていて、人気も高いようです。
こちらは少し珍しいタイプのものかと思われますが、大きな白いお花が華やかさに拍車をかけてお着物らしい良さが感じられます。
桃山の小袖を彷彿するような、時代色も持ち合わせたお洒落なおすすめの一点です。
地の色は紫鳶「#5f414b color-sample.com」、
似せ紫「#513743 color-sample.com」、
花の色は灰黄緑「#e6eae3 color-sample.com」、
葉の色は暗紅色(あんこうしょく)「#662c51 color-sample.com」をご参照下さい。
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