上布とは、上等な麻織物のこと。
約2000年前に崇神天皇の皇女が中能登地方で機織りを教えたことが能登上布の起源だと伝えられています。
江戸時代には技術向上を続け発展し、明治時代皇室の献上品に選ばれるまでになりました。
ひんやり涼しい風合い、「蝉の羽」のような透け感、シャリ感、光沢感、張り感があり、夏の最高級の着物として愛好されています。
昭和初期の最盛期麻織物の県生産量が日本一になりましたが、戦後着物離れが進み、現在山崎麻織物工房が唯一の織元になりました。
能登独自の櫛押捺染やロール捺染と呼ばれる職人技術から生まれる繊細で上品な絣模様が特徴で、石川県指定無形文化財となっています。
今も昔ながらの手織りで織られ、能登の風土を生かした凛とした絣柄や縞模様、落ち着いた色合いは素朴でモダンな雰囲気が魅力です。
(山崎麻織物工房さん解説文より)
こちらは正しく蝉の羽根のように張りがあって透き通るような白の地に、離れるとグレーに見える縞は濃い緑・鉄色と赤味のある焦げ茶・煤竹色の糸が並んで織り出され、その2色の割合によって違った色に見える、ニュアンスのある色合いとなったものです。
シンプルな縞の模様なのに、気高ささえ感じられるような、独特の個性とお洒落な雰囲気を持っています。
それでいて帯合わせはとても範囲が広く、染めの麻の九寸名古屋帯から、今回別でご紹介させていただいている宮古上布や八重山上布などの自然布の織りの帯、またすくい織や羅などの絹の透け感のある名古屋帯などいろいろとお合わせいただけます。
清々しい夏の清涼感のある装いを素敵にアレンジしてお楽しみいただける、素晴らしいおすすめの一点です。
未着用品。
こちらは大きめのサイズとなっていますので、お身長がおありの方にもおすすめです。
衿裏には化繊の絽の生地が、居敷当には麻が使用されています。
縞の色は鉄色「#00332a color-sample.com」、
煤竹色(すすたけいろ)「#4d3834 color-sample.com」
をご参照下さい。
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