経緯に少し節のある生紬の生地に、角々とした菱形の模様が手をつないだように並んで染められた、藍の絞り染めの単衣のお着物です。
絞りの輪郭がぼんやりとしているので、あまり強い印象にならず可愛らしさがあって、それが本藍で染めてあることでちょうど良いバランスとなっているように見えます。
やや透け感のある生紬の生地が藍染めで染められたことで少し張りのある質感となって、着心地も良さそうです。
白く染め残されたところに見える縫い絞りの縫い目の跡や、板締めの屏風畳みにされた部分の藍の濃淡の部分などに、手仕事でつくられたことが感じられて、なんだか作り手の伝言の様で嬉しく思えてほっこりとした気持ちになります。
8月から9月の初めには麻や絹の夏の帯を合わせてお召しいただくと良いですね。
その後は、別でご紹介させていただいておりますような松煙染めの紙布の帯なども良いですし、小格子など無地感覚の帯を合わされると素敵だと思います。
藍の色に白い衿や足袋がすっきりと陽ざしに映えて、工芸的な魅力が溢れた着こなしをお楽しみいただけそうなおすすめの一点です。
未着用品。
濃藍「#141e33 color-sample.com」
をご参照下さい。
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