上質な国産の一越の生地が黄色味のある金茶・肥後煤竹色に染められ、上前や肩口、袖などに木蘭色の暈しが入れられ、そこに伝統的な辻が花の模様が美しく染められた単衣の附下のお着物で桃山時代に生まれ、一世を風靡した辻が花染。
江戸初期には途絶えてしまい、ほんの一時期にしか見られなかったため、幻の辻が花染とまで言われています。
近年、それを研究・復元される染織家がたくさんいらっしゃいますが、大脇一心さんの作品は桃山時代のものに近い雰囲気を持ちながら、現代的感覚も併せ持つセンスの良い作品が多く見られます。
こちらは緑味のある藍色の地に、宗伝唐茶色と秘色色のグレーで絞り染が染められ、部分的に墨でお花の模様が入れられた辻が花染の小紋のお着物です。
紬地の小紋としても結構なボリューム感で、ゴージャスな雰囲気もありますので、帯合わせ次第でちょっとした場所へのお出かけも可能なお着物といえます。
カジュアルな着こなしをされる場合は、すくい織のポイントの柄付けの帯や吉野格子や間道の帯などを合わされると良いかもしれません。
もう少しドレスアップされたい時には、唐織や紋織の名古屋帯や袋帯とお合わせになるのも良いでしょう。
個性的な色使いが素敵で、お着物ならではの華やかさが溢れるおすすめの一点です。
地の色は納戸色「#005a66 color-sample.com」、
柄の色は宗伝唐茶(そうでんからちゃ)「#a16d5d color-sample.com」、
秘色色(ひそくいろ)「#8daab3 color-sample.com」
をご参照下さい。
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