緯糸にムガシルクの糸が入っているような質感の紬地が、グレー味のある緑・山鳩色に染められ、ムガと思われる部分がネップのように少し黒い粒になっています。
その生地に焦げ茶色の顔料ですくっと立って咲く百合のお花と、その傍に寄り添うような妖精の姿が描かれた、型絵染の一方附のお着物です。
背中に羽のある妖精は百合のお花より一段濃い黒・濡羽色で描かれ、羽には金彩が施されています。
百合のお花は少しディフォルメされて勢いよく立っていますが、少し柔らかな色で染められている事と、花びらに金と銀の点と線が描かれている事で優しい印象となっています。
妖精たちは勢いよく飛ぶものや、ラッパを吹いていたりお花に寄り添っているものなどいろいろで、絵本の1ページのような独特の世界観が広がります。
少し珍しくポップな模様ですが、洗練されたデザインや色使いなどにお洒落さが漂って、とても素敵なお着物となっています。
また一方附になった柄付けに高級感が感じられます。
不思議な物語の世界に包まれるような気分で楽しくお召しいただきたい、おすすめの一点です。
未着用品。
地の色は山鳩色「#494d42 color-sample.com」、
百合の色は檳榔子染(びんろうじぞめ)「#433d3c color-sample.com」、
妖精の色は濡羽色「#000b00 color-sample.com」
をご参照下さい。
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