越後上布の産地としても有名な塩沢の地方で、350年ともいわれる歴史を持つ塩沢の織物は「塩沢お召」とも呼ばれ、人々に愛され続けてきました。
生糸を使用し、強い撚りを掛けられた緯糸が特徴です。
通常の反物より広い幅に織り、織り上がったものを丁寧な湯もみの作業で縮ませていきますが、その際に撚りが戻る力で「シボ」が生まれます。
そのサラリとした肌ざわりと弾力性は非常に着心地が良く、それが塩沢が好まれてきた理由のひとつかもしれません。
本塩沢の証紙は、その技法に乗っ取って手仕事によって作られたものという証でもあります。
こちらはこっくりと深い焦げ茶・檳榔子染色の地に、亜麻色の光沢のある糸で小さなカ絣が織り出されたお着物です。
端正な雰囲気は、伝統的な正統派の塩沢の佇まいを醸し出しています。
こういった無地感覚のお洒落着のお着物は、帯の合わせ方で着こなしを変えられますので、お好みに合わせて色々とアレンジされると楽しくて良いのではないでしょうか。
すくい織の手機の名古屋帯などと通好み的に合わされたり、季節のモチーフを取り入れた友禅などの染め名古屋帯を合わされるのもも素敵です。
少し工芸的な作家物の織りの帯や、型絵染などの染めの名古屋帯も良いですね。
モノトーンの大人な着こなしも、明るい色で若々しくカジュアルな着こなしも、いろいろなイメージの広がるおすすめの一点です。
未着用品。
地の色は檳榔子染(びんろうじぞめ)「#332f2e color-sample.com」、
絣の色は亜麻色「#d6c6af color-sample.com」
をご参照下さい。
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