非常に細かい金駒糸が織り込まれた地金通しのしっかりとした生地に、立ち上がる松の木と梅の木が友禅で楚々と描かれ、金駒刺繍で縁取りされ摺箔をされた丸の模様が散りばめられた中に四季の草花が描かれ、各所に手刺繍が施された豪華な訪問着のお着物です。
桜、牡丹、菖蒲、紅葉、桔梗、葡萄、サクラソウなどが細やかな友禅で華やかに描かれ、お花の縁の駒刺繍や花びらに刺された刺繍など見どころの多いお着物です。
丸の中の金の摺箔は屏風の背景のような雰囲気があり、丸窓から屏風を見ているようなそんな構図となって雅な風情が感じられます。
丸の中の加工の重厚さと、その背景となる松と梅の木の模様のたおやかなイメージの友禅とのコントラストが絶妙で、メリハリのある模様に奥行きが感じられます。
これほどの加工が施された訪問着のお着物は、近年目にする事が少なくなったように思います。
「特選帯」のページでご紹介させていただいている川島織物さんの本極錦や龍村平蔵さんなどの帯をお合わせいただきますと、第一礼装として素晴らしい装いをお楽しみいただける事と思います。
丸の中の四季の草花を目で追っていくだけでも、友禅の細やかさや手刺繍の変化など飽きる事なく見ていられるような、非常に手の込んだおすすめの逸品です。
未着用品。
地の色は梅染「#cca28f color-sample.com」、
松の色は藍鼠「#6c848d color-sample.com」、
黒橡(くろつるばみ)「#544a47 color-sample.com」、
梅の色は鴇浅葱(ときあさぎ)「#b88884 color-sample.com」、
桔梗の色は濃紅(こいくれない)「#a22041 color-sample.com」、
サクラソウの色は真朱(まそお)「#ec6d71 color-sample.com」、
牡丹の色は煎茶色「#805b49 color-sample.com」
をご参照下さい。
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