立花長子さんは洋画家を目指して勉強された後、昭和12年より芹沢_介さんに師事して型絵染を学び、2年後の昭和14年には国画会工芸部で入選されるという、並はずれた芸術的才能をお持ちの方だったようです。
野の花や昆虫を描いたデザインは個性的で愛らしく、どれもそれまでになく、優れたデザインであったり表現であったりして、近年活躍されている型絵染作家の方々にも多大な影響を与えられています。
こちらはグレー味のある水色・錆浅葱色の地に、4cm幅の亀甲の模様が描かれ、その中に幾何学模様と蝶々、カミキリムシ、アザミやドクダミのお花など、色々な模様が型絵染で染められた小紋の羽織です。
少し前の時代の短い羽織を工夫してお仕立て替えしましたので、衿の背中心と身頃のマチの部分に継ぎがありますが、お仕立て屋さんが丁寧に柄合わせをしてくださったので、ほとんどわからない状態です。
ただし、身丈をとるために身頃の裏の返りは少なめとなっています。
それでもほぼ現代の寸法に仕上がりましたので、十分にお召しいただける事と思います。
お洋服で例えますと、羽織はカーディガンのような位置づけになりますが、お着物と合わせやすい模様のものの方が出番が多くなりますので、こちらのような地色で小柄のものはきっと重宝する事と思います。
立花さんの作品らしい洋紅の桃色がアクセントとなって、かわいい昆虫たちが可愛く描かれて本当に素敵です。
ちょっと羽織ものが欲しい春のお出かけなどにとてもおすすめの可愛い一点です。
お仕立て替え済。
地の色は錆浅葱「#749191 color-sample.com」、
柄の色は退紅(あらぞめ)「#d69090 color-sample.com」、
今様色(いまよういろ)「#d0576b color-sample.com」、
枯草色「#e4dc8a color-sample.com」、
紺色「#26324d color-sample.com」
をご参照下さい。
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