縦の節の表情が面白く感じられる、絽目のある生紬の生地が象牙色地に染められ、右の身頃と上前の裾の部分には白群色の淡い水色で暈し染めがされ、枝垂れる柳の枝と新芽の様な葉が疋田模様を交えてたおやかに描かれた、夏の訪問着付けのお着物です。
江戸中期の小袖などにも見られる枝垂れ柳のモチーフですが、現代的にソフィスティケートされて、シンプルな墨書きに彩色の技法で清涼感のある模様として復元されているのがとても素敵です。
霞のように暈し染めされた白群色が水の流れのようで、爽やかさを強調していて、立体感もあり、枝垂れる柳の枝がまるで風にそよいで揺れているかのようにさえ見えます。
生紬の素材ですので、特別フォーマル用というものではなく、お洒落袋帯や名古屋帯などと合わせて、観劇やお食事の会、美術館など、少しおめかしした雰囲気のお出かけにお召しになるのも良いと思います。
紗や絽綴れの袋帯や名古屋帯を合わせるのも綺麗かもしれませんし、染めや織り、また刺繍のポイント柄や夏唐織などの帯も素敵です。
ありそうで、なかなかお目にかからないタイプの高級感と品格のある素晴らしいおすすめの一点です。
未着用品。
地の色は象牙色「#f8f4e6 color-sample.com」、
暈しの色は白群(びゃくぐん)「#a7ced1 color-sample.com」、
柳の葉の色は退紅(あらぞめ)「#d69090 color-sample.com」、
芥子色(からしいろ)「#d0af4c color-sample.com」、
黄海松茶(きみるちゃ)「#918754 color-sample.com」、
湊鼠「#80989b color-sample.com」
をご参照下さい。
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