夏の装いの楽しみのひとつでもある麻のお着物ですが、産地によってそれぞれ個性があり、個体差もあり、ひとつずつ質感が違ったり着心地が違ったりします。
こちらは本当に極細の苧麻の糸が明るい焦げ茶・涅色に染められ、あられの様な象牙色の絣糸が染め分けられ、そのあられ絣を縦に繋ぐような檳榔子染色の縦長の絣が織り込まれています。
手に取りますと、その薄さに驚いてしまうような糸の細さが感じられ、手触りもしなやかで思わずうっとりとしてしまうほどで、きっと盛夏にも軽くて、涼しく着心地が良い事と思います。
白い襦袢が透けますと一段明るい色になりますので、また印象が違ってくるかもしれません。
秋口には色襦袢を合わせますと、また違った色目をお楽しみいただけます。
帯合わせの範囲は幅広く、生紬や麻の染め帯などと情緒豊かにお召しになるのも良いですし、自然布の科布や藤布、紙布などの無地系の帯を合わされるのも素敵かもしれません。
白いあられ絣がとてもチャーミングですが、シックな色使いですので、いろいろとコーディネートをアレンジしていただけそうなおすすめの逸品です。
衿裏に絽の絹が使用されていて、居敷当はついていません。
未着用品。
地の色は涅色(くりいろ)「#554738 color-sample.com」、
絣の色は象牙色「#f8f4e6 color-sample.com」、
檳榔子染(びんろうじぞめ)「#433d3c color-sample.com」
をご参照下さい。
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