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「七宝菊華文」煌彩錦袋帯地
人間国宝　北村武資作

重要無形文化財「羅」「経錦」技術保持者、北村武資作。
北村武資氏はお若い頃、正倉院に残された最古の錦を見られてその魅力に引き寄せられ、長い年月をかけて研究され、復元に力を注がれました。
30代で日本伝統工芸展に出品、入選され、それ以後も毎回素晴らしい織物を発表し続けていらっしゃいます。
先日、私自身も機会があって「正倉院展」を見に行く事ができました。
夾纈をはじめ、羅、錦、刺繍など断片しか残っていないものもありますが、その素晴らしさには目を見張るものがあり、断片からも全形の姿が思い計られ、遠く古代へのロマンを感じられてため息が出ました。
北村武資氏をはじめ、たくさんの染織家の方々もこういった貴重な過去の資料を見られて魅了され、触発され、素晴らしい作品をおつくりになる道を歩まれたのかしらと想像し、感動いたしました。
こちらの北村氏作品は、その名のごとくきらきらと輝きを放つ美しい布「煌彩錦」の袋帯です。
織り出しの柄のない部分の若葉色の光沢は、まるで美しい青磁の焼き物の質感の様で、思わず手で触れてみたくなります。
そしてその続きに七宝繋ぎの紋様の中に大小の菊が真白な糸で織り込まれ、金で縁取られています。
高潔なまでの完成度の高さは本当に心地良く、こんな綺麗な帯をどなたがお召しになるのでしょうと憧れてしまいます。
フォーマルの良い帯をお探しの方には是非ご覧いただきたい、おすすめの逸品です。
若葉色は「#b9d08b　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。