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本場八丈織　墨色市松綾織着尺
菊池洋守作

昭和37年に八丈島のご実家に工房を開かれるまで、柳悦博氏に師事されて織りの勉強と研究を続けられ、八丈島の織物のみにこだわらず、ご自身の生み出された色を使ってより良いもの、より着心地の良い織物を追及された、手織りならではのしなやかなその作品は、ファンの心をつかんで離さない魅力を持っています。
かつて白洲正子さんとも柳悦博氏を通して知り合われ、銀座の「こうげい」でもその作品を扱われていた様です。
当店でも今までに菊池氏の作品を何点かご紹介させていただきましたが、どれもさりげない格子や細かい綾織に思わず目を奪われて、時間を忘れてしまうような不思議な存在感が共通しています。
とても個性的でありながら強く主張しないため、色々な帯を合わせてみますと、驚くほどにどんなものでも受け入れてくれる懐の広さを感じられます。
それが嬉しく思える反面、迷ってしまってお出かけまでの時間がつい楽しく長くなってしまう、そんな素敵なお着物です。
こちらは小さな市松が織り出された、深いそしてクールな印象の墨色の着尺の反物です。
今回は、ほんの少しずつ色の違う綾織のタイプの菊池氏作品が何点か入荷しております。
偶然ではありますが、少し前に作られた黄八丈の反物と同時のご紹介となりました。
是非この機会にお店であれこれ広げて、色々とご覧いただければと思います。
どれもそれぞれに違った魅力があります。
手仕事の積み重ねの上にできあがるものが持つ独特の力、言葉では説明が難しいのですが、なんとかお伝えできればといつも思っています。
墨色は「#333231　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。