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「うさぎとタンポポ」刺繍小千谷紬九寸名古屋帯地
工芸きもの野口

こちらの帯を初めて見た時に、なぜか「君がため春の野に出でて若菜摘む　我が衣手に雪は降りつつ」という百人一首の中の有名な歌が思い浮かびました。
まだ少し残る冬の緊張感と早春ののどかさが入りまじった空気の中、歌のとおりに「春の野に出てみたよ！」と言いたげな、少しユーモラスな表情のうさぎが大きくお太鼓いっぱいに描かれた刺繍の名古屋帯地です。
こちらは野口さんオリジナルのデザインの中から素材と色を選ばせていただき、春に小千谷紬の生成りの地に白いうさぎが素敵だと思い、前柄はタンポポとクローバーにとリクエストしてつくっていただいたものです。
できあがってきましたら、個人的な事で大変申し訳ないのですが、男前な雰囲気と体型が我が家の猫とイメージが重なっていて、何とも言えず嬉しく思い、写真を載せてみました。
2月になりますと春はすぐそこと言いながらもまだまだ寒い日が続きますが、こちらのようなモチーフの帯などを「可愛いわね」とか「ちょっと不細工ちゃんね」とかお話をされながら、気分だけでも一足早くお楽しみいただけたらと思い、ご紹介させていただきました。