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商品番号 m0084
藤布 生成地捩り織八寸名古屋帯地
小石原将夫作
販売価格 有難うございました
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藤布 生成地捩り織八寸名古屋帯地
小石原将夫作
古くは縄文時代から存在したとされる藤布は、原始布と呼ばれる染織品のひとつです。
限られた資源の中から発生した、暮らしの知恵でもある原始布。
春に美しい花をつける藤の強い生命力は人々の憧れでもあり、その繊維を織物として身につける事は縁起が良いともされたそうです。
私が初めて「藤布」なるものに出合ったのは30年ほど前になります。
それは、おそらく明治期の野良着の一つであり、藍色の掛衿とのコントラストがとても綺麗な袖無しの半纏のようなものでした。
原始布と呼ばれるものにとても興味を持っており、麻でない事はわかりましたが、不思議なふんわりとした風合いと光沢に目を奪われてしまいました。
それは骨董屋さんの壁にさりげなく掛けてあったのですが、素朴に疑問に思って「これはなんですか?」と尋ねた事を覚えています。
「藤布ですよ」と言われ「ああ、これがそうなのか」と初めて出合った新鮮さに感動しました。
その当時でも、丹後地方の一地域でしか織られていないと聞きました。
今回は、その藤布を長年研究され、数々の大変な工程を忠実にこなして「織物」の形として現在に伝える数少ない技術者である、小石原将夫氏の名古屋帯地の作品が何点か入荷いたしましたので、ご紹介させていただきます。
どれもそれぞれに違った個性を持っていて、表情豊かに見る人に語りかけているようです。
こちらの作品は、まるで少し古い象牙の細工物を見ているような錯覚をしてしまう光沢と色を持った、素敵な生成りの作品です。
お太鼓から手先の部分まで、透かしの捩り織が通しで織られたものです。
太鼓の返りの部分は普通の平織りとなっていますので、お仕立をされる際にはお太鼓になる部分をかがらずに、表と返りが離れているお仕立にされると、涼感を感じられて素敵だと思います。
おそらくその事をを考慮して織られているのだと思いますが、捩り織の部分の透け感が動きによって色々な変化を見せてくれて、高級感あふれる複雑な色と光沢になってさぞかし目を引く事と思います。
絣柄の上布やお着物に少しインパクトがあるものを着用される際には、とてもお合わせいただきやすく重宝すると思われます。
それでいて平凡ではなく、他では見ない個性を持ち、お洒落な存在感のある素晴らしい夏の逸品です。
蒸栗色は「#ebe1a9 WEB色見本 和色大辞典」をご参照下さい。
※こちらはお仕立の加工代金を含めた販売価格となっております。
(特殊なお仕立・加工をご希望の方はお問い合せください。) |