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商品番号 m0085
藤布 矢車の実染め八寸名古屋帯地
小石原将夫作
販売価格 有難うございました
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藤布 矢車の実染め八寸名古屋帯地
小石原将夫作
古くは縄文時代から存在したとされる藤布は、原始布と呼ばれる染織品のひとつです。
限られた資源の中から発生した、暮らしの知恵でもある原始布。
春に美しい花をつける藤の強い生命力は人々の憧れでもあり、その繊維を織物として身につける事は縁起が良いともされたそうです。
私が初めて「藤布」なるものに出合ったのは30年ほど前になります。
それは、おそらく明治期の野良着の一つであり、藍色の掛衿とのコントラストがとても綺麗な袖無しの半纏のようなものでした。
原始布と呼ばれるものにとても興味を持っており、麻でない事はわかりましたが、不思議なふんわりとした風合いと光沢に目を奪われてしまいました。
それは骨董屋さんの壁にさりげなく掛けてあったのですが、素朴に疑問に思って「これはなんですか?」と尋ねた事を覚えています。
「藤布ですよ」と言われ「ああ、これがそうなのか」と初めて出合った新鮮さに感動しました。
その当時でも、丹後地方の一地域でしか織られていないと聞きました。
今回は、その藤布を長年研究され、数々の大変な工程を忠実にこなして「織物」の形として現在に伝える数少ない技術者である、小石原将夫氏の名古屋帯地の作品が何点か入荷いたしましたので、ご紹介させていただきます。
どれもそれぞれに違った個性を持っていて、表情豊かに見る人に語りかけているようです。
こちらは最も素材の持ち味を噛みしめられると言っても良いと思われる、無地の作品です。
矢車ブシの実で染められた濃いグレーの経糸と藤布の節のある繊維が織り成す複雑な色と質感が、噛めば噛むほどに味わいが増すように、使っていくほどに素敵になる事を今から約束してくれているようです。
こちらはあまり透かし織が入っていないので、盛夏だけでなく、もう少し広い範囲でお使いいただけます。
不思議で味わいのある無地は長く飽きが来ず、ある意味一生ものの様な静かな力を感じます。
上布に限らず、意外と色々なお着物と楽しくお合わせいただけるのではないでしょうか。
※こちらはお仕立の加工代金を含めた販売価格となっております。
(特殊なお仕立・加工をご希望の方はお問い合せください。) |