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商品番号 m0156
「子供のころの思い出」出雲織絵絣着物地
青戸柚美江作
販売価格 有難うございました
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「子供のころの思い出」出雲織絵絣着物地
青戸柚美江作
(以下、青戸先生談)
私は島根県西伯郡(現在の島根県米子市)の島根県と鳥取県の境の山村で生まれ育ちました。
幼いころは2才年下の弟とその友達の男の子とばかり遊んでいました。
山や川がほとんどで海を見に高い山へ登っては歓声をあげたり、大きな木に登ってその木の実を取って食べたりとおてんばな毎日でした。
実家の周りに竹藪があり、そこで皆と遊んでいるときに「あの大きな竹にのぼっててっぺんまでいけば、きっと竹がしなって無事に降りてこられるな」と思いつきました。
男の子たちに誰かやってみないかと聞きましたが、誰も手を上げなくて仕方がないので自分でやってみようと思い、大きな竹のてっぺんまで登りました。
すると思ったととおりきれいに竹は丸くしなって、私は無事に地面に降りてくることができました。
そして降りたとたんその竹はピンとなって元の姿に戻りました。
嬉しくしているのもつかの間、弟が走って家に帰りそのことを母に言いつけましたので「男の子さえしない事、とりわけ竹に登るような女の子がこの世にいるものか」と随分叱られた記憶があります。
その子供のころの懐かしい出来事をデザインして織ってみました。
そんな楽しいお話が聞こえてくるような素敵な作品です。
竹は古くから好まれてきたモチーフですが「竹を割ったような」とか「破竹の勢い」という言葉があるように真っ直ぐなイメージを持たれていますし、力強く描かれる事が多いです。
こちらの作品ではそれとは少し違うまあるい竹がとても印象的で、先生のお話にもあるようにしなる竹の形を表現されたかったのだと思われます。
少しユーモラスでもあり、どこか可愛い絵絣ですが、それを挟むように段代わりに織り出されたミックスの様な色々な糸の横縞は大変力強く、藍の濃淡の中に天蚕ならではの明るい草色が光沢を放ち、複雑で独特な青戸ワールドを繰り広げてくれているようで見ていてもわくわくして、手元にある事が嬉しく思えてくる大作です。 |