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「灯」出雲織着尺
青戸柚美江作

一つの幅に5個の縦長の四角が窓の様に並んで、経緯の絣で真っ白い窓と小さな格子の入った窓が交互に段変わりに織り出された面白い柄です。
青戸さんの作品はどれも木綿の風合いが活き活きと伝わってきますが、特に藍色の中に括り糸で防染をして綺麗に残された白い部分の風合いは格別に美しく、その事が一段と感じられます。
こちらは青戸さんが都会へお出かけされた時に、大きなビルの窓の灯りを見てこのデザインを考えられたそうです。
色々な風景や自然の出来事の中の印象に残った1コマをすぐに作品に取り入れ、素敵に表現されて、そこには独特の世界観が広がっています。
はじめはシンプルな幾何学模様だと思って見ていたのに、タイトルの「灯」という言葉で作品の中にストーリーが生まれ、風景が見えてきて、新鮮な驚きがあります。
お仕立をされましても、ほっこりとした藍色の深さは吸い込まれそうに魅力的で、窓の灯りの四角が着姿に楽しい演出をしてくれそうです。