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「古代の力」本場夏大島着尺
東郷織物製

昨年の夏の終わりに工房をお尋ねした東郷織物さんで織られた夏大島の着物地です。
詳しくは昨年のブログに写真付きでご紹介させていただいておりますので、ご興味がおありの方はよろしければご覧ください。
（銀座 かわの屋　スタッフBLOG「都城の東郷織物さんへ」）
こういった優れた作品は本当に大変なたくさんの工程を経て、手間と時間をかけられてできあがっていきます。
まず織り始めるまでの工程にも気の遠くなるような時間がかかる事はもちろん、織り始めてからも数cm織っては手を止め、細かな絣を針で調整し、また織り出すという根気と技術が必要な作業となります。
その完成したものを「あれが可愛い！これが素敵！」と言って楽しんで見ていられるのは本当に幸せな事だと改めて思います。
こちらは市松取りになった図案で、ひとつは細やかな亀甲絣、もう一つは古代文様の勾玉のような形が小さな蚊絣で織り出されたものとなっていて、一般的な大島紬よりさらに糸が細く大変緻密な作業が繰り返されて完成されるものです。
お訪ねした際には「今では年間20反もできないんですよ」と言われていました。
東郷織物さん独特のパステルトーンがとても魅力的で、下に白い長襦袢をお召しになりますと一段色が明るくなると思いますが、本当にやわらかく心にしみるような自然の色です。
夏の上等なお着物として古くからあこがれのアイテムでもあった夏大島の中でも、こんな素敵な色と柄のものはなかなか手に入らないと思われます。