【釜我敏子】
1938年 福岡生まれ。
きっかけは趣味で始められた蝋纈染めで、その持ち前の探求心でどんどんと進んでいかれ、本格的に染めの世界に入られたのは30代からだそうです。
鍋島更紗で著名な故・鈴田照次氏の元で学んだ卒業生に手ほどきを受けられたり、佐賀大学教授である故・城秀男氏の研究会に聴講生として入られたりと、基本的な事から勉強をされて、ご自身が大変お好きな野に咲く草花をデザイン化する事も学ばれました。
それは作品を拝見した時にも、楚々として咲く可憐な山野草が見事に図案化され、均整の取れた美しさで、そこに吹く風までも一緒に感じられるほどに活き活きと描かれている事でわかります。
1970年「第5回西部伝統工芸展」初出品、奨励賞受賞という快挙を成し遂げられ、以後連続入選、受賞7回。
1976年「第23回日本伝統工芸展」初出品、以後32回入選をされている事も素晴らしいです。
その後も各賞を受賞され、型絵染に限らず地元の織物の研究や後継者の育成にも大変尽力されています。
現在は公益法人福岡県美術協会理事、日本工芸会正会員。 |