【商品説明】
今回のイベントで展覧させていただく作品のデザインをお考えになったきっかけなどのお話をお聞きしました。
ひとつひとつ丁寧に説明をしてくださって、作品が藤木先生の人生のアルバムのようにも感じました。
少しずつお伝えできればと思います。
「祈り花ひらく」
平成26年 第61回日本伝統工芸展入選
宮崎は緑豊かで温暖な気候からマンゴーやパッションフルーツをはじめとする優れた農産物が多く、また地鶏や宮崎牛など食品だけでもたくさんの特産品が思い浮かびます。
そんな中で、2010年に悲しいニュースが聞かれました。 「口蹄疫」という病気が牛に広がってしまったのです。
たくさんの牛が命を落としてしまい、その供養もあって埋葬した土地にたくさんの向日葵を植えたそうです。
その地を訪ねた時に果てしなく広がる黄色い向日葵の花を見て感動されたそうですが、悲しい出来事にも心を痛められた藤木先生は、祈りの気持ちを込めて美しく咲くお花を織られたそうです。
ただ、作品にはそうした悲しさは感じられず、優しさだけがあふれているように見えます。
「織りを通して、見てくださる方に驚きや感動や嬉しさなどを伝えていけたらどんなに素敵かしら」ともお話されていました。
澄んだ温かみのある黄色の地に向日葵の種のような茶色で花が織り出され、こちらにもその風景の映像が伝わってくるようです。
最後に「古い映画の『ひまわり』を知ってる?最後のシーンでソフィア・ローレンが果てしないヒマワリ畑を歩くシーンも素敵でしたよね、それを思い出しちゃったわ」とも仰っていました。
色々な面で感受性豊かなロマンティストだと思い、また嬉しくなってしまいました。
藤木先生は以前に日本民芸館で見た夜空に光る満点の星のような読谷の花織が心から離れず、そうしている時に母のように慕っていた古・鳥巣水子さんと出会われました。
日本伝統工芸展入選をひとつの区切りにされ、その後はそれまでの実績を無に帰して、一から花織を始められます。
取りつかれたように無我夢中で独自の花織を研究され、アシンメトリーの花織という、それまでどなたも成しえなかった織りを実現、数々の作品は日本伝統工芸展でも入選し、「藤木花織」を確立されました。
そして今回は特別にその素晴らしい作品を展覧する機会をいただきました。
是非この機会に手に取ってその今までに見たことのないほどの素晴らしい作品をご覧ください。
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