【商品説明】
今回のイベントで展覧させていただく作品のデザインをお考えになったきっかけなどのお話をお聞きしました。
ひとつひとつ丁寧に説明をしてくださって、作品が藤木先生の人生のアルバムのようにも感じました。
少しずつお伝えできればと思います。
「蔓あじさい」
ご主人がご健在のころ「秋田のブナ林を見に行こう」というお話になって上高地へお出かけになられました。
角館から鷹巣まで秋田内陸線で移動され、その時に車窓からそれまでに目にした事がないお花がたくさん咲いている様子を見てその可憐さに心を奪われたそうです。
人に尋ねてみたら「蔓紫陽花というのよ」と答えが返ってきたそうです。
少し違う形のものは九州にもあるのですが、見事なお花の咲きぶりに同じものとは思われなかったようです。
ご主人とはいろいろな場所をまわられたそうで、下北半島にも八甲田山にもと思い出を話してくださいました。
その白い花を表現されるためにこちらの作品は白地で織られているようです。
白地は経緯木綿だともう一つ野暮ったくなって、スマートさが足りなかったり品格が出なくて、絹糸を使ってみましたと仰っていました。
藍の濃淡の花織の花が山里にひっそりと咲く額アジサイのお花のようでもあり、その集合がとても素敵です。
白が持つ魅力を最高に発揮して清々しい空気感とお洒落さがたまらなく感じられる作品です。
藤木先生は以前に日本民芸館で見た夜空に光る満点の星のような読谷の花織が心から離れず、そうしている時に母のように慕っていた古・鳥巣水子さんと出会われました。
日本伝統工芸展入選をひとつの区切りにされ、その後はそれまでの実績を無に帰して、一から花織を始められます。
取りつかれたように無我夢中で独自の花織を研究され、アシンメトリーの花織という、それまでどなたも成しえなかった織りを実現、数々の作品は日本伝統工芸展でも入選し、「藤木花織」を確立されました。
そして今回は特別にその素晴らしい作品を展覧する機会をいただきました。
是非この機会に手に取ってその今までに見たことのないほどの素晴らしい作品をご覧ください。
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