【商品説明】
今回のイベントで展覧させていただく作品のデザインをお考えになったきっかけなどのお話をお聞きしました。
ひとつひとつ丁寧に説明をしてくださって、作品が藤木先生の人生のアルバムのようにも感じました。
少しずつお伝えできればと思います。
「時計草」
藤木先生の佐賀のご実家の近くのお友達のお宅には、現在でいうグリーンカーテンのような日よけの役割で時計草をたくさん植えていらっしゃって、綺麗なお花が咲くと届けてくださいました。
宮崎に嫁がれた先生が里帰りをされた時にもやはりこの花をくださって、先生はそれをいつも白磁の浅い大鉢に水を張って浮花にして飾られるそうです。
水の中でくるくると咲くお花は可憐で美しかったそうです。
久しぶりにお会いするお友達と夜が更けるのも忘れて話し込んでいても、その間はずっとお話を聞いているようにしぼむこともなくお花が開いていて「私が一人の時はもっと早くしぼむのよ、不思議でしょう」と仰っていました。
「お花も人が話しかけてくれると綺麗に咲くというからそれでなのかしら」と感心して見ていたそうです。
そんなご実家のお友達との楽しい時間や懐かしい時計草のお花を思い起こして作品にされたものです。
きらっとと光る水面とその上に浮かんだ時計草のお花を、半月の形に変化をつけて花織にして織り出した作品です。
藤木先生は以前に日本民芸館で見た夜空に光る満点の星のような読谷の花織が心から離れず、そうしている時に母のように慕っていた古・鳥巣水子さんと出会われました。
日本伝統工芸展入選をひとつの区切りにされ、その後はそれまでの実績を無に帰して、一から花織を始められます。
取りつかれたように無我夢中で独自の花織を研究され、アシンメトリーの花織という、それまでどなたも成しえなかった織りを実現、数々の作品は日本伝統工芸展でも入選し、「藤木花織」を確立されました。
そして今回は特別にその素晴らしい作品を展覧する機会をいただきました。
是非この機会に手に取ってその今までに見たことのないほどの素晴らしい作品をご覧ください。
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