茄子とまつむし図紋紗夏名古屋帯
まずタイトルに「茄子とまつむし」とは書かせていただきましたが、描かれている虫はキリギリスやバッタの様にも見え、この色のコオロギもいますので本当は判明していません。
ただ、早い秋の風情を盛り込んだ素敵な図柄である事に変わりはありませんので、ご了承ください。
萩の葉の模様が織り込まれた紋紗の帯地を黒に染め、お太鼓と前柄に摺箔を施し、月見窓の様に団扇の形に染め残された部分を水浅葱で暈し染めし、そこに瑞々しい小茄子と秋の虫が手描きで描かれた、大変凝った作りの夏の名古屋帯です。
金の摺箔の下地には赤が染められていて、それがかすかに見える事で能衣装を連想する様な格と華やかさを出す様に計算されている様です。
団扇や虫などの図柄の淵に非常に細かい金糸で手刺繍が施されたいる部分など、どの部分をとっても飽きずに見ていられますし、全体的にさりげない高級感が醸し出され、近年には数少ないため息の出る様なこだわりの作品と言えるかもしれません。
夏物にここまでの技術を要するデザインを考え、実践されていた白洲正子さんや浦澤月子さんの様な方のお店は、残念な事に現在では本当に少なくなったと聞きます。
良い時代の置き土産の様な、素敵でそして素晴らしい夏の名古屋帯です。
(長さ)3m66cm×(太鼓巾)31.2cm×(前巾)16.4cm。
商品番号 o0852
茄子とまつむし図紋紗夏名古屋帯
販売価格 有難うございました |