変捩り織草布八寸名古屋帯
出羽の織座製
今回の『初夏のよそほひ』展では、自然布の帯がたくさん集まりましたのでご紹介させていただきます。
養蚕が日本各地で行われたり、どこでも木綿が育つ様になるまでは、雪深く寒い地域から湿度が高く熱い地域まで、それぞれの気候風土に合った織物が生まれ、育まれ、伝えられてきました。
特にその事に思いがめぐるのがこの季節です。
苧麻にはじまる麻、藤、科、葛など、現在では上布のお着物か名古屋帯でお目にかかる事がやっとです。
古く日本に自然発生的に生まれ、原始布とも呼ばれる織物が民間の芸術の世界にまで発展しましたが、その数は非常に少なく、現在でもそれを大切に守り、復元をつづけていらっしゃるのが出羽の織座さんです。
今回は偶然にも何種類か入荷し、ご紹介させていただきます。
こちらはまた原始布そのものの様な味わいのある名古屋帯です。
蕁麻(いらくさ)とシナの様な色合いの、植物や樹木の皮を加工した糸が使われている様です。
また変り捩り織になっているので、織物というよりもまるで編布(あんぎん)の様な縄文の布を思い起こしてしまいました。
濃淡の2色の糸が絡み合って、面白い色と風合いになっています。
もう一点の糸布の名古屋帯と同じく、あまり出合う事のない、手仕事を積み重ねた希少性の高いものと思われます。
そして砧などで丁寧に処理されているのか非常にしなやかで、それでいて適度な張りもあり、お使いいただきやすい事と思います。
言葉で「自然布」と言いながらもまったく自然の雰囲気ではなく、インパクトが強すぎて取り入れがたいものも多いですが、こちらはその点でも原始布の復元に尽力されて熟知されている方のプロデュースされた作品ですので、さすがに洗練された上級者的な雰囲気が漂っています。
夏の上布のお着物を素敵に演出してくれそうです。
(長さ)3m75cm×(太鼓巾)30cm。
商品番号 o0932
変捩り織草布八寸名古屋帯 出羽の織座製
販売価格 有難うございました
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