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加賀染「波に鯉」名古屋帯
日本工芸会正会員　坂口幸市作

縦に走るジグザグの太い線、それに波模様、そして躍動感のある鯉の模様が伝統的な二枚型で染められ、その独特の色使いも個性的で素敵な加賀染めの名古屋帯です。
江戸後期や明治期の藍染めの木綿にもこれに近い柄を見る事があり、現在でも藍の長板染めなどで作られていたりします。
藍と白の「波と鯉」の柄となりますと少し力強い粋な印象になりそうですが、こちらは麹塵と蘇芳香の組合せとなっていて、坂口氏の作品ならではの品格があります。
地の白地も白汚しの少し甘い薄紅を感じられる色になっていますので、全体がやわらかい印象になっているように見えます。
爽やかで清涼感も感じられ、これからの季節には、淡色の無地感覚の紬のお着物と合わせていただくのも良いのではないかと思います。
もちろんほかの染めの名古屋帯と同様に、色々なやわらかい素材のお着物ともお合わせいただけます。
目を引く個性のある、そして高級感の溢れるおすすめの一点です。
未着用品。
麹塵色(きくじんいろ)は「#454c36　WEB色見本　和色大辞典」を、
蘇芳香色は「#7f514d　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。