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野菊の花模様友禅名古屋帯
こうげい芥川扱

朝晩の温度差や台風などの影響で不安定な天候の日もありますが、いよいよ本格的な秋の到来と言っても良いような過ごしやすい気候になってまいりました。
そんな季節に少しベーシックなラインの染めや織りの名古屋帯を何点かご紹介させていただきたいと思います。
こういった定番的で重宝するおすすめのアイテムは、基本的に当店の得意なジャンルのものでもあるのですが、入荷のたびに気になりながらもホームページでのご紹介がなかなか追いつかず残念に思っていました。
こちらは古代紫の様な深い鉄紺色の地に、野に咲く素朴な印象の菊の花が手描きの友禅で描かれた素敵な縮緬の名古屋帯です。
友禅の輪郭の線が白ではなく青朽葉色になっている事が、その素朴さをさらに増しているように見えます。
葉の色は翡翠色系の青味のある緑・千歳緑色の濃淡で染められ、お花の色は山吹茶色、弁柄色、そして濃紅色と、どれも違った様々な色で色づけされています。
全体的には渋めの色使いでありながら、その花の可憐さが手に取るように感じられます。
清々しいほどに鮮やかな地の色と、枯れてこなれた雰囲気の柄の色との対照が面白く、さりげなさの中にもさすがに上級者向けのセンスがうかがえて、品質の良さと共に「なるほど」と感心させられ、そして楽しく目に映ります。
思いっきり季節を描いたものもとても楽しく、ここぞという時に切り札的にお使いいただけますが、こういったさりげなく穏やかで品格のあるものも飽きる事なく長くお付き合い いただけます。
ご着用のたびにきっと満足感を感じられると思えるおすすめの一点です。
お仕立上り。
鉄紺色は「#070819　WEB色見本　原色大辞典」を、
青朽葉色は「#ada250　WEB色見本　和色大辞典」を、
千歳緑色は「#316745　WEB色見本　和色大辞典」を、
山吹茶色は「#c89932　WEB色見本　和色大辞典」を、
濃紅色は「#7f1933　WEB色見本　原色大辞典」を、
弁柄色は「#8f2e14　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。