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エ霞に蒲公英図手刺繍名古屋帯

フォーマルのお席が多くなる春に向けて、年明けから少し重厚な昭和の巨匠作品のご紹介が続きましたが、これから春先にかけて軽やかな街へのお出かけにお手持ちのものにプラスワンで着こなしが広がり、また一段とお着物ライフを楽しく思っていただけるようなアイテムもご紹介させていただきたいと思います。
こちらは深い深いこっくりとした緑・百入茶色に染められた五泉の帯地に箔でエ霞が置かれ、金駒糸で縁取りがされ、そこに可愛い蒲公英（タンポポ）のお花が咲く様子が手刺繍された、のどかな風景のような名古屋帯です。
一見ではただのどかな雰囲気にも見えますが、東京国立博物館所蔵の能装束の長絹の資料にこれに近い模様を目にした事がありますし、蒲公英が使われたこちらの図案は古い狂言や能衣装に由来しているように見え、地色といい金彩使いといい、どこか格調の高さを感じます。
もちろん、パステルカラーで丁寧に刺繍された可愛い図案は普通に春を楽しまれるのにも最適かと思います。
明るい色のものが多くなる季節に、素敵なアクセントになるおすすめの一点です。
手刺繍のものに多く見られますが、前柄は片面のみとなっています。
お仕立上り。作家物。
百入茶色（ももしおちゃいろ）は「#1f3134　WEB色見本　和色大辞典」を、
胡桃色は「#a86f4c　WEB色見本　和色大辞典」を、
灰桜色は「#e8d3d1　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。