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アネモネの花型絵染名古屋帯

少し暖かくなってくるこれからの季節は、普段とてもお忙しい方もお休みの日にお着物を着て気分を変えてお出かけしようと思われる機会が多くなるのではないでしょうか。
そんな時のお供に最適で、ますます気分も上がるようなお洒落な名古屋帯をご紹介させていただきます。
山吹茶色の紬地に丸くくり抜いたように一段薄く少し緑味のある黄色・木蘭色が染められ、風になびいてたわわに咲くアネモネの花が型絵染で描かれた素敵な名古屋帯です。
昭和の型絵染はあまりモチーフを断定できないように表現されているものが多く、それは特徴のひとつとも言えます。
型絵染は昭和の40年代頃から盛んに染められ、人気も高く、その当時はとても新鮮なものだったと思われます。
用の美に基づいた実用性からか、友禅のものが非常に写実的で季節をうたっている事が多いのとは対照的に、型絵染には季節を限定しないものや沖縄の古い紅型の図案に由来するものがよく見られます。
こちらはその当時よりもう少し近年、おそらく20年位前のものかと思われます。
個性的な色使いでお花の線に黒ではなく地色に合わせた濃い璃寛茶色を使われているところなどとてもお洒落で、全体の雰囲気を壊さずバランスが取れていて作者のこだわりを感じられ、楽しく見る事ができます。
お花がディフォルメされている事もあり、春に咲くアネモネか苺のお花か、または秋に咲く秋明菊かと色々な見方ができますので、お召になるシーズンによってお見立てされるのも良いと思います。
手元にひとつあると着こなしのイメージがぐんとアップしそうなおすすめの一点です。
山吹茶色は「#c89932　WEB色見本　和色大辞典」を、
木蘭色（もくらんじき）は「#c7b370c　WEB色見本　和色大辞典」を、
璃寛茶色（りかんちゃいろ）は「#332c10　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。