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磯辺文様友禅開名古屋帯

今回もう2点ご紹介させていただいております名古屋帯と同様に、風が渡るような爽やかな色彩で細密な友禅によって海辺の風景を描かれた素晴らしい開名古屋帯です。
透き通るような淡いグレー・白花色の塩瀬の帯地に、美しい松林が並ぶ浜辺があり、網干や潮汲み桶などの風物と網を引く人々などが情緒豊かに描かれています。
めでたく大漁を思わせる大きな網、そしてその網を力強く懸命に引く人々は多色使いで描かれています。
松の並木も花浅葱色や緑青色、樺色などが使われていますが、その松や波の模様に驚くほど細かい糸目の線が染め抜かれていて、それによって全体の発色が抑えられて淡く透明感のあるものとなり、まるで上品な一枚の日本画を見ているような美しさです。
こちらは名古屋帯ですが、こういった図案は格高な訪問着などにも見られるものですので、江戸小紋や地紋の無地のお着物などとお合わせになられますと少し改まった雰囲気にもお召しいただけます。
もちろんお召織の無地感覚のものや無地や万筋の結城紬などに合わされてもきれいですし作家物などの力のあるお着物とでも十分に存在感を引き出し合えます。
小物使いで変化をつけていただきますと意外と活用のきく一点と言えます。
お食事会のお集まり、またコンサートや観劇などに大袈裟でなくお洒落着を少しドレスアップした着こなしでお出かけされたい時などに最適です。
春色のお着物ともよく合って、品格のある上級者的な装いを実現できそうなおすすめの一点です。
作家物。
白花色は「#e8ecef　WEB色見本　和色大辞典」を、
花浅葱色は「#2a83a2　WEB色見本　和色大辞典」を、
緑青色は「#47885e　WEB色見本　和色大辞典」を、
樺色は「#cd5e3c　WEB色見本　和色大辞典」をご参照下さい。