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紫陽花と藤の花紗全通袋帯
こうげい芥川扱

近年のお着物事情から、単衣時期から盛夏向けの品質の良い訪問着や附下、そして特に上質な夏の袋帯の数は年々少なくなっています。
そうした中でも、毎年初夏から夏にかけて熱心なお着物ファンの方からのリクエストは多く、嬉しくもありながら少し悩んでしまう部分もあります。
今回は趣味性の強い紗の袋帯と少しフォーマルな袋帯の2点をご紹介させていただきます。
こちらは淡いベージュ地に絵具でラフに描いたような図案が楽しい、紗の全通の袋帯です。
ぽってりとした藤の花と大きな丸の形で表された紫陽花の花がユニークではありますが、古い能装束の図案からデザインされたものと思われます。
ユーモラスな図案が古色然とした色使いで織り出され、楽しくもあり、格調の高さも感じられます。
上質なお洒落着的な要素を十分に持っていて、紬系の訪問着附けの染めのものや絵羽附けの織りのお洒落着など、比較的帯合わせに悩まれがちなタイプのお着物ともお合わせいただけると思います。
純フォーマル用のものではありませんが、軽めの附下や江戸小紋、色無地くらいまではお使いいただけて意外と活用がきくと思われます。
デザイン的にも優れた、希少性の高い上質なおすすめの一点です。
榛色（はしばみいろ）は「#bfa46f　WEB色見本　和色大辞典」を、
赭色（そほいろ）は「#ab6953　WEB色見本　和色大辞典」を、
木賊色は「#326651　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。