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玉蜀黍の柄絞り染紬名古屋帯
えり善扱

地色も図案も少し珍しいと思われる、楽しい紬の名古屋帯です。
グレー味のあるシックな淡い薄紫色の紬地に、たっぷりと実の詰まった玉蜀黍（とうもろこし）が絞り染めで描かれたものです。
絞りで染められているのにこんなにも写実的に仕上がっている事に驚きましたが、実の部分などの表現には絞りの技法がとても適しているようで、その発想に感心してしまいましたし、見ていても楽しくなります。
雌花の穂は極細の墨の線で細やかに描かれていて、辻が花染の技法による格調の高さも感じます。
前柄は玉蜀黍の雄花が芒のような穂を風になびかせているようで、こちらもまた素敵です。
前柄の方が少し明るい色使いとなっていて若々しく感じられ、落ち着いた印象のお太鼓の柄とのコントラストが面白いです。
みじん格子や万筋の縞の結城紬とも素敵に合いそうですし、草木染の手織の紬なども入荷しておりますので、色々なお着物の上に置かれてみて、ご気分に合ったものと軽快に合わせて街へお洒落にお出かけいただきたいと思います。
実りの秋にぴったりのおすすめの一点です。
枯野色は「#ccbeb8　WEB色見本　原色大辞典」を、
黄海松茶色（きみるちゃいろ）は「#80774a　WEB色見本　原色大辞典」を、
刈安色は「#ccbf5a　WEB色見本　原色大辞典」をご参照下さい。