【商品説明】
20〜30年前頃までは一部の趣味人を除き、一般的にお着物は「揃える」といった感覚でお求めになる方が多く、いわゆるフォーマルの装い用のゴージャスなもののほうが好まれ、立派なものが良しとされいたようです。
近年では今すぐには必要ないものを揃えておくといった感覚は少ないようで、来月とか次のシーズンに着るためにお求めになる方のほうが多くなりました。
積極的にお着物をお召しになる方が増えている事、そして10年前よりは気温が高い事もあり、真夏以外にお使いいただける3シーズン用の帯が増えています。
こちらの櫛すき織のようなタイプや、染めのものでも少し透け感のある素材が好まれます。
単衣のお着物の素材が多種多様になった事もあり、広く言えば3月頃から6月、7月のかかりまで、そして盛夏のものが終わる9月の10日過ぎくらいから12月の初め頃までにお召しいただける帯をお探しの方が多く見受けられます。
「麻のお着物も9月いっぱいまで着て良い事にしてもらえたら嬉しい」とおっしゃる方もあるほどに、今月も日中は暑い日がたくさんあります。
四季の変化を楽しむ文化が根強くある日本ではなかなか伝統的な事を変えるのは難しいかもしれません。 そこで皆さま色々と工夫をされるようです。
襦袢が盛夏のものであってもそれとわからないような色に染められていたり、うそつきの二部式にされたり、単衣のお着物も中間的な素材の涼しいものを探されたり、その工夫のお話も楽しく感じられます。
こちらはその点でも非常に広い季節にお使いいただける、そしてまこと織物さんならではの品格のある手機の上質な袋帯です。
このタイプのものとしては少し珍しいと思われる緑味のある青磁色・納戸色が使われています。
右の端のボーダーには地織の納戸色とは少しトーンと系統の違う藍・紺瑠璃色が使われ、二重の蔓を這わせた大牡丹の花が金糸で大胆に織り出されたものです。
この織り方はまこと織物さんが考案された独自の技法で、手機で丁寧につくられます。
名物裂の代表格でもある「二重蔓牡丹唐草文」の歴史は古く、他の名物裂と同じく鎌倉時代から江戸初期にかけて舶載品として日本に伝わり、大名や茶人などの高位な人々に好まれたもののひとつです。
その華やかさと格調の高さが帯の形となり、お召しいただけるものとして美しく表現された素晴らしい織物です。
納戸色は「#005a66 WEB色見本 原色大辞典」を、
紺瑠璃色は「#143a66 WEB色見本 原色大辞典」をご参照下さい。 |