京都で100年以上の歴史を持つ染屋さんの4代目として友禅染の創作を続けられ、後に絞り染も習得、桃山期の辻が花の修復、復元に携わられ、その研究において数々の功績を残された故・小倉健亮氏の作品です。
何か語りかけてきそうなほど表情のある、美しく描かれたツワブキの葉と、楚々と寄り添う小さなお花が、絞りと友禅とで見事に存在感を表しています。
黒地に緑色と藍色の葉が冴え冴えとして瑞々しく、「つやぶき」という別名のあるその葉の光沢を細やかな刺繍で表現されているのがまた心憎く、写実的にさえ見える事も不思議です。
しっかりとした打ち込みの良い塩瀬の生地を使用されていて、吸い込まれるような黒がまたとても綺麗ですが、これほどの生地に絞り染めを実現されるのも小倉建亮さんならではの高い技術によるものといえるのでしょう。
黒地の染めの名古屋帯ですので、お着物との相性は限りなく広いといえます。
はんなりとしたやわらかい小紋のお着物などと、白地に赤の飛び絞りの帯揚げなどで京風に合わされるのも素敵かもしれません。
また結城紬にきりりと締められて、紫色やブルー系の帯揚げなどで決められるのも格好良いですね。
着こなしのイマジネーションが広がる、とても個性的で素敵なおすすめの一点です。
葉の色は千歳緑「#316745 color-sample.com」、
留紺(とめこん)「#1c305c color-sample.com」、
真紅「#a22041 color-sample.com」
をご参照下さい。
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