「名物名取川」本袋帯 龍村平蔵製
流水に車輪の文様の起源は古く、平安時代の高貴な女性の移動は主に牛車だったようですが、何日か出かける事がなく使用されないと木製の車輪が乾燥してひび割れを起こしてしまうため、川の浅瀬に浸けておく習慣があったそうです。
牛車という雅な要素もありながら、ある種実用的でもある日常の風景を文様として図案化し、衣装やその他の調度品などに取り入れる事は、古くから日本人の得意とする事であったようです。
その日常の中の色々な要素、海、山、川、草花、用具、文字などを図案化して記号の様に簡素化し、しかし一目で誰でも意味がわかる美しい形にする能力は世界一とも言われています。
その象徴とも言える家紋に対する海外からの評価の高さはそういった事が関係しているのかもしれません。
余談ではありますが、昭和39年の東京オリンピックの時に世界中から色々な国の方が日本に来られ、現在ほど一般的に外国語に対応できる人が多くありませんでした。
その時にこの技術が応用され、公共の施設の電話、トイレ、非常口、救急など言語ではなくデザインでそれとわかる記号の様な物がア数多く設置されました。
それらは大変役立ち、その後海外でも応用されるようになりました。素晴らしいことだと思います。
こちらの流水に車輪の図案も1000年以上も愛され続けていますが現在では柄として有名な割に元の意味はあまり知られていないというのは面白い現象かもしれません。
車輪を織り出す箔糸の中に3色の色糸が織り込まれ、それによって玉虫色の様なイメージが生まれています。
それによって、黒地に金色の糸と箔糸のシックになりすぎてしまう組合せにアクセントが加えられ、全体を華やかにしています。
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商品番号 r0412
「名物名取川」本袋帯 龍村平蔵製
販売価格 有難うございました
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