扇面重図黒留袖 木村雨山作
着丈162cm 裄丈70cm 袖丈49cm
重要無形文化財「友禅」保持者・木村雨山作。
加賀友禅作家の中で、唯一人間国宝の認定を受けられた、故・木村雨山氏作の素晴らしい黒留袖の作品です。
もう一点ご紹介している作品とは全く異なるタイプの伝統的な図案となっています。
それでいて、色彩的にも写実的な草花模様を中心とする加賀友禅の特徴とも違った、個性豊かな作品と言えるでしょう。
大きな扇面の形を輪郭として、青海波、七宝、紗綾型などの古典の図案と、水面に浮かぶ小さな花や桐、竹などが細かく描かれた部分とに、図柄が割りつけられています。
加賀五彩と言われる色調の中でも、黄土色を強く出されているのも特徴的と言えるかもしれません。
近年の加賀友禅には見られない特徴として、刺繍が施されている点も珍しいです。
加賀は独特の武家文化の発展により、染織に限らず、塗芸、工芸など多数の高度な芸術性のある文化が培われた地域です。
染織の世界でも友禅と同じく加賀縫いの歴史は古く、第二次世界大戦までは数多くの素晴らしい作品が作られていたそうです。
その事からも昭和の前半までは、加賀友禅の作品にも刺繍が施される事があったと聞きますが、そんな時代の流れを含め、感慨深く思える作品でもあります。
染織品はいろんな意味で奥深く、優れた作品は時代を超えて人々に感動を与えてくれる身近な存在でもあり、良い作品に出合える事は素敵な事だと改めて感じられます。
1枚目の写真をクリックすると、大きい画像をご覧いただけます。
商品番号 r0498
扇面重図黒留袖 人間国宝 木村雨山作
販売価格 有難うございました |