重要無形文化財本場宮古上布着尺
単なる麻の織物と一言では言えない、砧打ちの光沢もそのままに、手に触れるのもためらってしまう様な大変美しい宮古上布の反物のご紹介です。
南の島の宝布・宮古上布は越後上布と同じく、数多くの工程を経て原料である苧麻を手績みによって糸をつくり、それが染められ、織り上げられるまでにたくさんの時間と手間がかかります。
こちらの宮古上布の様に小さな蚊絣によって柄が構成されている場合、ひとつひとつの蚊絣の十字を針の先で合わせて狂いなく織るためには、織るだけでも約3カ月間かかります。
これは他のものにも言える事ですが、優れた染織品を通して見てみると、日本人の忍耐強さや根気良さ、そして文化度と技術の高さにいつも感心してしまいます。
別でご紹介しています、白の越後上布の澄んだ清らかさとはまた違う個性を持ち、光を吸い込むほどに深く味わいのある色、そしてどこか高貴なこの美しい織物には、古くから多くの人を魅了する不思議な力があります。
現在では年間生産反数も激減していると聞き、残念に思いますが、各工程の卓越した技術を持った方達が少なくなってしまうのは仕方のない事かもしれません。
先のとがった経に長い菱の模様を取り囲んだ丸の小さな玉がジュエリーのネックレスの様で可愛い雰囲気もあります。
そういった柄ですのであまり絣柄のイメージが強くなく、ある種で染の物の様な感覚で帯合わせなどをお楽しみいただけて、大変貴重な作品でありながら軽やかにお洒落に着こなしていただける、珍しいタイプと言えるかもしれません。
是非一度実物をご覧いただきたい夏の逸品です。
証紙有。
商品番号 r0743
重要無形文化財本場宮古上布着尺
販売価格 有難うございました
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